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2017/10/20

グリッドタイインバータが怪しい

前回までに、ソーラーパネルから予想された出力が得られていました。

では、いよいよ残るはインバータです。

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お前が犯人だー。こいつが仕事していなーい。 と叫んだところで買い替えるには早すぎる。もう少し点検してみましょう。 故障なら修理するまでです。

※製品を分解して手を加えることを、このブログで推奨しているわけではありません。これ以降の内容について事例の紹介であり、筆者は何ら責任を負いません。



インバータをテストするために、一般の安定化電源等をつなぐと電流が流れ過ぎて、インバータ自身がすぐに壊れてしまいます。 ご注意ください。


ソーラーパネルは定電流タイプの電源ということ ← ここは重要


テストするには、定電流電(電流制限のある安定化電源等)をインバータへ接続し、所定の入力電力(電圧と電流)に対してインバータ出力があるかを調べてみます。

すると、入力に電源を加えても約1A以上流れないではないですか~~。

例えば、16Vで2.5Aまでokな電源を与えても、1Aしか食ってくれない。
つまり、16V×2.5A=40W 入れようとしても、16V×1A=16W程度しか消化してくんねぇー。
 あ~、
インバータの食欲不振が原因のようです。

どうも、入力側で発振しているようです。でも一般的には大容量のコンデンサが付いているはず??
 

このあたりが怪しいですね。

では、分解してみましょう。前部4ヶ所・後部4ヶ所のY字形の特殊ビスを外します。
 

と言ってもY字形ドライバでなくとも-の2.4mmドライバーで難なく緩るんでしまいます。
入力端子から太いケーブルが基板の中に入り込んでいて、コンデンサ2,200μF50Vが2個接続されていました。
 

このコンデンサが全然、役に立っていないわけです。

外観からは、膨張や防爆弁が開いているわけでもありません。

取り外してみて、あらら。コンデンサの足元に白い固形物が・・・。
容量計で測っても1μFもありませんでした。


基板側を見ても液漏れの痕跡は見えないので、ガス状で気化(ドライアップ)したのかもしれません。
万が一、腐食するといけないので、とりあえず周辺をクリーニングしておきます。


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補修として同じ容量・耐圧の物を取付けますが、出来れば耐熱温度はランク上を、低ESRタイプと交換しておきたいです。

また、念のためリプル電流によるコンデンサの発熱も考えられるので、インピーダンスを下げる意味で、基板裏で10μF個体コンデンサをパラに取り付けて、様子を見ることにしました。


組み上げて、インバータ出力をモニタすると、下写真円の中央より右側(補修後)が、中央より左側(補修前)よりも高くなっています。

また、左の284whの値は当日の約6時間の発電量です。
補修前はここが50wh程度でした。


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これで一連の、発電量低下はグリッドタイインバータによる故障が原因で、今回その真因はコンデンサの容量抜けだったことが解りました。

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